2020年(自分にとって)の革命

  ベイトキャスティングリールを最初に手に入れたのは、1997年のこと。
 何度も書いてきた通り、AbuGarcia社製Ambassadeur UC4601C D2 D2が記念すべき最初のベイトキャスティングリール。
 本当は、1982年時点でシマノのバンタム100が欲しかったんだけれども、小学5年生の小遣いでは到底買えるような代物ではなかったので諦めざるを得なかった。
 後からルアーを始めた同級生の何人かが、いきなり親からバンタムやファントムを買ってもらい、当時憧れていたガングリップのベイトキャスティングロッドと組み合わせて使っているのを目の当たりにした時は、悔しくて羨ましくて堪らなかったことを今でも思い出す。

 この時にベイトキャスティングリールを手に入れられなかったことから、結果15年ものブランクが開いてしまうことに。
 25歳になって最初に手にしたベイトキャスティングリールは、想像以上にハードルが高かったですね。
 以来、何時でも何処でも一緒、さんざんバックラッシュに悩まされたのもいい思い出。
 数多くの大物にめぐりあわせてくれたこのリールは、今でも手放すことなく所有しています。

 それからの四半世紀で、何十台ものベイトキャスティングリールを手に入れ、使ってみました。(備忘録的に列挙します)

<Abu(AbuGarcia)>
UC4601C D2 D2、4601C DDL Imae、UC4601C、UC4601C Hi-Speed Winch、1601C IAR、2601C IAR、SX1601C Hi-Speed、SX3601C Hi-Speed、5501C Classic、4501C Classic、4600C Classic、4600C Hank Parker、4600C Zell Rowland、4600C RD Imae、SM3000C、SM3000C Glossy、ProMax5600ClW、Black Max Lh、Gold Max Special、ProMax1 Concept 2000、ProMax2 Concept 2000、ProMax 5600C TANABE SUPER、GT3600C、5001C、6001C、5601C3、6501C3、7000C、SX7000CLW、4600CB、XLT LH、LITE LH、MAXXAR LH、MAX LITE LH、KING FISHER LH、KX101、MX200…etc.

 アブのリールは憧れもあったことと、当時は仕事でマミヤOPの担当をしていた経緯もあって最も多くを購入し、実際に使用しました。
 70年代までの古いアンバサダーにはあまり縁がなく(傷だらけの5500Cが5万円越えが当たり前などという狂った時代だった)、80年代の4600CBやウルトラマグ、復刻版の5001Cや、XLT、Liteシリーズを使いましたが、正直Liteシリーズ以外は重く、また使い勝手が良いとはお世辞にも言えませんでした。
 1990年代のモデル、特に1995年以降の物は操作感が一気に洗練されており、2000年のマミヤOP代理店終焉間際のモデルには、優秀なリールが数多く見受けられました。
 中でもシャフト一体式に戻ったUCシリーズは、現在でも通用する高剛性で堅牢なリールだと思います。
 SXシリーズが自身にとっての最期のモデルでしたが、最初期のHi-Speedはシンプルながらも後のモデルよりも優秀な設計のリールでしたから、手放してしまったことを後悔しています。(といっても現在のタックルセッティングで使えるようなラインキャパシティーはないです)

<シマノ>
スコーピオン1501、スコーピオン 1001、バンタム スコーピオン メタニウムXT(赤メタ)、メタニウムXT LH(銀メタ)、 アクシス101Ver.2、カルカッタXT 51、カルカッタXT 201、バンタム201SG、バンタム100、バンタム100SG、バンタム1000SG、バンタム200

 シマノのバンタムには憧れがとても強かったため、大人になってからデッドストックを次々と買い集めたのも今では懐かしい思い出です。(案外と1990年代後半になっても未使用デッドストック品をいくつも入れることが出来たのでした)
 実際に使ってみると、想像していたよりも随分と安っぽかっただけでなく、ブレーキセッティングがピーキーすぎて非常に扱いづらく、剛性感も皆無だったことに落胆しました。
 スコーピオン1501は、シマノのリールでは最も愛用したリールで、太いナイロンラインとの相性が良く、とても扱いやすくて驚かされましたが、樹脂の安っぽさをどうしても受け入れることができず、高級そうに見えたメタニウムXTのレフトハンドルを後から買い足しましたが、あまり質感に差はなかったですね。
 また、シマノのリールはマッディーウォーターとの相性が悪く、ラインを巻き取ると途端に巻き心地が悪くなったことをよく覚えています。(ウォームギアが前面に露出していたため、巻き取ったラインに付着した水がもろに入る設計だった)
 スコーピオン1001は外部からSVSの調整が出来ることが最大のメリットでしたが、太いラインが巻けなかったのであまり出番がありませんでした。
 カルカッタも当時のXTを各種手に入れましたが、同じマシンカットであればアブのプロマックス系の方がはるかに剛性感が高かったので、少し使っただけですぐに売却してしまいました。(コンクエストは使ったことがないのでわからない)

<ダイワ精工>

PT-33C、PT-33P、PT-33SH、PMA-33SL
SS-SV103L、ジリオン各種(TW 1516L、SV TW1016 SV-L、SV TW1016 SV-HL、TW HD 1520L-CC)

 現在はメインとなっているダイワ精工ですが、それまで実際に使ったことがあるのは上段の4機種のみで、中でも愛用したのはPT-33Cでした。
 ノーマルギアのPT-33Pとハイギア―のPT-33SHは、ちょっと使ってこれじゃないなとすぐに売却。
 PMA-33SLは、ダイワ初の左巻きということで購入したものの、あまり使うことなくレベルワインダーが壊れる前に売却。
 PT-33Cはディープクランクベイトを楽にリトリーブすることが出来ることに感激し、所有する唯一の右ハンドルリールとしてしばらく愛用していましたが、クァンタムの381と用途が被ったために売却してしまいました。

<リョービ>
キャスプロ5000V

 子供の頃に観たテレビのCMでVスプールのこのリールに憧れがあったので、大人になってからデッドストック品を購入。
 確かにバンタムよりは剛性感がありましたが、ドラグは大差なかったですね。
 ある程度使った後に売却し、以降、リョービのリールは一台も手に入れてません。

<Qantum>
QD1310L、DynaMag1311、QD1420L、DynaMag1421、381、441、621
E861PTxm

 友人の斎藤さんから、藤沢のフジ釣具の常連達がオリムピック釣具のBX-21/22が手に入らなくなった後にクァンタムを勧められていたという逸話から、興味を持って入手することに。
 2000年代にも樹脂製のリールフットとなった最終モデルとなる1310系がバレーヒルから発売されていましたが、オリジナルの方が格好良かったですね。
 基本レフトハンドルモデルがメインでしたが、使い勝手が良くて驚かされました。
 古い設計のリールですが、完成度が高いので今でもストレスなく使うことのできるリールだと思います。
 E861PTxmは、2004年以降に登場した比較的高年式モデルで、シマノのような外部調整遠心ブレーキ機構を持ち、使用の幅が広い遠心ブレーキのおかげで、現在の最新鋭機種と張り合って使えるレベルの名機です。
 よく、シマノのアンタレスのコピー品と揶揄されていましたが、とても優秀なリールだと思います。

<五十鈴工業>
BC701SS PROTO、BC701SSS、BC721SSS、BC731SSS、BC601SSS、BC710HD、BC421SSS、521X、BC421SSS ナロー、BC431SSS

 2006年の秋にBC701SS-PROTOを手に入れてからは、五十鈴工業のリールたちがメインのリールとなりましたが、残念ながら自身のバスフィッシングのスタイルに合致しているとは言い難く、パワフルなヘビーデューティー仕様のBC711HDかBC611HDの登場を10年以上も待ち続けていましたが、それらが登場することなく、2020年6月をもって五十鈴工業との縁が切れてしまったことで、最初のBC701SS-PROTOを除き、すべて売却してしまいました。
 スミスのプラッガーやメガバスのパガーニは、五十鈴工業の設計製造したリールです。


 ざっとベイトキャスティングリールだけでこれだけの種類(AbuGarcia社のLiteシリーズやXLTシリーズは何台もあったと思ったので、もっとあったはず)を購入してきた経緯があります。
 ベイトキャスティングリールを使うようになってから四半世紀が経過しましたが、愛用したとは言い難いリール(一日使ってフィーリングが合わずに見切ったリール)も散見されますね。
 基本極一部を除いて、ほぼ全てが新品もしくはデッドストックの未使用品を購入し、所有したものなので、中古のために使用感の悪かったリールは皆無です。
 その中でも、印象に残ったリールは下記の通りです。


【AbuGarcia UC4601C D2D2】
 自身にとっての最初のベイトキャスティングリール。
 今思えば、最も完成されたピラードフレームの究極設計リールであったことが幸いし、ベイトキャスティングリールの扱い方の全てを叩き込まれたように思います。
 サムバー式クラッチ、4点式遠心ブレーキ、シャフト一体型スプール、シンクロナイズド・レベルワインド、5.3:1のローギア等、現在も続く自身のベイトキャスティングリールへの拘りは、このリールに強く影響されていることがわかります。
 最初のリールが名機だったからこそ、大きく道を踏み外さなかったのかもしれません。

【Daiwa PT-33C】
 今となっては信じられない話ですが、ダイワ製のリールはこのシリーズのリールくらいしか使ったことがありませんでした。(ギア比違いの2機種と、後にPMA33SLを入手しただけ)
 というのも、一時期ハマっていたディープクランキングにはどうしてもローギアのリールが必要だったため、このリールがどうしても欲しくなったのです。
 国内流通品のデッドストックを入手できましたが、このリールは海外でも長く販売されていたため、現在でもまだ入手できるのではないかと思います。
 気になって、兄弟機のPとSHも後に入手しますが、特に使い込むことはありませんでした。
 手放してしまったことを後悔したほど素晴らしい操作感でしたが、その後、使わせてもらった友人のTD-X103HVLが想像以上にフィーリングが合わず、以降ダイワのリールを使うまでに20年以上も掛かったと言うオチがついたのでした。

【QUANTUM 1311MG】
 シマノの初期のバンタムシリーズは想像していた以上にピーキーで、しかもドラグが効かない、巻取りトルクもないという駄目なリールでしたが、バンタム、ファントム、キャスプロ、BX、国産ベイトキャスティングリールを全て研究し尽くして設計製造されたこのシリーズは、1980年代のベイトキャスティングリールとしてはほぼ満点の評価を出せる数少ないリールでしょう。
 マグネットブレーキの調整幅が大きく、キャスティング距離は抜群、ドラグもこの頃のモデルとしては優秀、ロープロファイルボディーでありながらオフセットハンドルにも装着でき、メタルフットで剛性感もありと、2000年以降もしばらくメインで使用。
 オールド・レフトハンドルモデルの入門機として、今でもお勧めできます。

【QUANTUM ENERGY 861 PTxm】
 メーカーはクァンタムでも実際には国産(クリエテック製)だった右ハンドルの名機E860PTxmが、クァンタムから契約を切られて中国の別工場でミラーリングレフトとしてコピー生産されたモデル。
 中身は日本製の完全コピーなので、性能はずば抜けて良かったです。
 シマノが採用したような外部遠心ブレーキ調整ダイヤルを持ち、非常に軽快なキャストフィールがあって最近までのメインリールでした。
 フロリダにも2台連れて行った、思い入れのあるリールです。

 2020年は、ダイワ精工のベイトキャスティングリールに全て入れ替わった革命的な年となりました。
 SS-SV103Lを皮切りに、ジリオン TW 1516L、ジリオン SV TW 1016SV-L、ジリオンSV TW 1016SV-HL、ジリオン TW HD 1520L-CCと、なんと一気に5台です。
 これまで使ってきたUC4601C D2 D2は遂に引退(20年以上おつかれさま)、クァンタムのE861PTxmは、予備機としてメインリールの座から退き、五十鈴工業のBCシリーズは売却となりました。
 これから死ぬまで一緒に頑張ってもらいます。
 バスフィッシングに明るい未来が訪れることを願って。

↑現在のメインリールたち

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